こんにちは、真路(シンジ)です。
今回は、あなたの思いを「物語」にすることで、読者の気持ちをグイッと惹きつけることができるようになるテクニック、「ストーリーテリング」について解説していきます。
ストーリーテリングとは、その名の通り「ストーリー(物語)を語る手法」のこと。
あなたが伝えたい思いやコンセプトを、それに関する印象的な物語や体験談に重ねて語ることで、聞き手に強く印象づける手法になります。
人が物語に惹きつけられるのは、あらゆる国の神話をはじめ、昔話や映画、ドラマ、小説、マンガなどが今も昔も支持されていることを見れば明らか。
そんな強い力を持っている物語を、あなたの文章に活用しない手はありません!
今回はストーリーテリングについて詳しく解説するとともに、
・ストーリーテリングが持つ力
・読者を惹きつけるストーリーテリングのポイント
・スティーブ・ジョブズに学ぶストーリーテリングのコツ
などについてもお話ししていきます。
この記事を読めば、「人の心を動かすストーリーテリングとはどういうものなのか」ということが理解できるので、あなたが書く文章にストーリーテリングの手法を取り入れて読者の気持ちをグイッと惹きつけることができるようになりますよ。
では、さっそく始めましょう!
そもそもストーリーテリングとはどういうものか?
ストーリーテリングについて改めて解説すると、下記の通りになります。
“ストーリーテリングとは、伝えたい思いやコンセプトを、それに関する印象的な物語や体験談に重ねて語ることで、聞き手に強く印象づける手法”
人が物語に惹きつけられるという事実は、今さら説明するまでもなく明白なことですよね。
古今東西あらゆる神話をはじめ、昔話や映画、ドラマ、小説、マンガなどが支持されていることから分かるように、人は物語が大好きです。
神話や昔話の物語は、世界中あらゆる国に存在していて、次の世代、そのまた次の世代へと伝承され続けています。
僕たち人間は大昔から、「人は物語を好む生き物であり、物語が何よりも優れた伝達手段である」ことを分かっていたんです。
例えばあなたは、幼い頃に読み聞かせてもらった「桃太郎」のストーリーを今でも覚えていませんか?
桃太郎はどんな動物をお供にしたか? その動物にどんな食べ物を配ったか? など…。
あるいは、あなたが一休さんの物語を見聞きしたことがあるなら、将軍足利義満がイタズラで困らせようとして、一休さんに屏風絵の虎を退治して欲しいとお願いした時、一休さんが何と言ったかすぐに思い出せるはず。
そう、「すぐに捕まえますので、将軍様、虎を屏風絵から追い出してください!」です。
このように人は物語であれば、幼い頃に見聞きしたものでもすぐに思い出すことができます。
これが学生の時に必死に覚えた数学の公式や英単語だったら、なかなか思い出せないですよね。
つまりそれだけ人は物語を好み、心の中にその内容がしっかりと伝わっているということ。
言い換えると物語は、人の心の中にスッと入り込み、その人の記憶に残り続ける力があるとも言えますね。
この物語の力を利用した手法がストーリーテリングになります。
あなたが読者にしっかりと伝えたい思いやコンセプトを持っているのなら、それを印象的な「物語」にすること。
そうすることで、読者の心を惹きつけて印象に残る文章にすることができるのです。
ところで、ここまで読んだあなたは、「どうしてものごとを物語の形式にすると印象が強くなるんだろう?」と疑問に思ったかもしれませんね。
ここからはその理由について解説しましょう。
ストーリーテリングが持つ力
ものごとを物語の形式にすると、その内容が心の中にスッと入り込みやすく、印象も強くなって記憶に残りやすい。
それはなぜでしょうか?
なぜなら人はものごとを物語の形式で説明されると、その内容を具体的に「イメージ」できるようになるからです。
例えば「私はアフィリエイトで1,000万円稼ぎました」ということを伝える場合、下記のような物語の形式にした方が、人はその内容をより鮮明に具体性を持ってイメージすることができます。
私は仕事のかたわら、深夜に帰宅した後のわずかな時間を使ってアフィリエイトを始めましたが、全くと言っていいほど成果を得られませんでした。
焦った私は、インターネットでアフィリエイトについて徹底的に調べたんです。
そこで初めて、「文章によって読者の反応を獲得していくスキル」であるコピーライティングがアフィリエイトには必要である、ということを知りました。
それからはコピーライティングについて必死に勉強し、それをアフィリエイトに反映することで徐々に成果が出始めたんです。
初めての収益は500円でしたが、月を追うごとにどんどん収益が上がっていきました。
半年が経った頃に月収20万円を達成し、1年が過ぎた頃は月収80万超え!
そして今ではついに、年収1,000万円以上を稼ぐことができるようになったのです。
どうでしょうか?
ただ漠然と「私はアフィリエイトで1,000万円稼ぎました」と言われるよりも、それをストーリーに仕立てたものを見せられた方が、より具体的にイメージすることができますよね。
つまり「どのようにして1,000万円稼いだのか」という物語を読むことによって、その事実があなたの心の中にスムーズに入ってきて、より印象強く記憶されるということです。
そして、人は具体的にイメージできたものごとほど、その内容を信じ込んでしまう傾向にあります。
なぜなら「具体的にイメージできたもの」ということは、その内容に「話の経緯」や「話の根拠・理由」などが含まれているということであり、それらが話の信ぴょう性を高めることになるからです。
最近YouTubeの広告で漫画形式のものをよく見かけますが、あれは広告を漫画というストーリー仕立てにすることで、視聴者の反応が高まることが背景にあるからなんですね。
ここまでをまとめると、物語には以下のような力があります。
● 聞き手の興味を惹きつけることができる
● 聞き手に明確なイメージを与えることができる
● 信ぴょう性を高めて、聞き手の信用を得ることができる
● 聞き手に強い印象を与えて記憶に残すことができる
つまり、これこそがストーリーテリングが持つ力ということ。
だからこそストーリーテリングの手法を、あなたの文章に活用しない手はありません。
「でも真路さん、私にはおもしろい物語なんて作れませんよ」
そう思うのも当然ですよね。
でも大丈夫です!
何も小説のような完成された物語を作る必要はありません。
まずは、ストーリーテリングの手法をコピーライティングに活用する上で、必ず押さえるべきポイントを解説します。
では始めましょう!
読者を惹きつけるストーリーテリングの2つのポイント
ストーリーテリングの手法をコピーライティングに活用していく際のポイントは下記の2つになります。
❶ 読者がイメージしやすい内容にする
❷ 読者が共感しやすい内容にする
順に解説しますね。
❶ 読者がイメージしやすい内容にする
まず「読者がイメージしやすい内容にする」ですが、これは必須事項であり、イメージしにくいストーリーならむしろ無い方が良いです。
ストーリーテリングの有効性 = 具体的なイメージがわくこと
ストーリーテリングの持つ力は上記の通り、ものごとを物語形式にすることで、それを見聞きした人が具体的なイメージができるようになることでしたよね。
なので、読んでいてそのイメージがわかないような物語は、はっきり言って何の意味もありません。
むしろ、そんなイメージしにくいストーリーは、読者の反応を下げてしまいます。
イメージできないということは、その内容が頭に入ってこないということ。
そんな苦痛を感じる話を長々と読んでくれるほど読者はヒマではありません。
「この話、何を言いたいのかさっぱり分からん…」と読者は思い、あなたの文章から離れて、2度と戻ってくることはないでしょう。
つまり物語がイメージしやすい内容であることは必須ということです。
では次に2つ目のポイントを見ていきましょう。
❷ 読者が共感しやすい内容にする
物語を通して読者の反応を獲得するためには、「読者の共感」を得ることが重要になります。
なぜなら、読者がその物語をどんなに具体的にイメージできても、その内容が「共感」できるものでなければ、良い反応を生み出せる可能性は低いからです。
例えば「高齢者を簡単にダマせて確実に稼げるスキル」を物語の形式にして紹介するとしましょう。
その物語がどんなに読者を惹きつけるストーリー展開でも、どんなに具体的なイメージを与えられる内容でも、それを読んで「この登場人物が高齢者をダマして金を巻き上げるシーンの気持ち、分かるわー! よし、私もこのスキルを駆使して高齢者をダマしてみよう!」なんて共感する人はいないですよね?
…いやまあ、そういうヒドい物語に共感する人も、実際のところ世の中にいるのかもしれません。
しかしほとんどの人は共感どころか、最後まで読んでくれることもないでしょう。
「このブログの管理人(物語の筆者)サイテー。犯罪者じゃん!」となり、あなたは良い反応を得るどころか犯罪者のレッテルを貼られ、ネットの世界で活動することすら難しくなります。
つまり物語を通して読者の反応を獲得するためには、「読者の共感」を得ることが何よりも大切だと言うことです。
「分かりました。じゃあ、共感を得る内容って具体的にはどういうものですか?」
共感を得やすい内容は、当然ターゲットによって異なってきますが、それを前提にすると下記の通りになります。
ターゲットの多くが経験・認識しているようなものごとに沿った内容
例えばあなたのターゲットが、将来に不安を感じている30代の男性サラリーマンだとしましょう。
その場合、以下のような要素を物語の中に入れ込むことが効果的になります。
● 給料が低く、今後も上がる見込みがない中で働いている
● 嫌な思いを抱えながら組織に所属することに疑問を感じている
● 自分が今の会社で働き続けていく未来が想像できない
● 家族に金銭的な苦労をかけていることが申し訳ない
● 会社に頼らず自分でお金を稼ぐことができる人間になりたい
なぜならこれらは、あなたがターゲットとしている「将来に不安を感じている30代の男性サラリーマン」ならば、ほとんどの人が経験していたり、考えていると予想できる要素だから。
つまりあなたのターゲットが上記の要素を含んだ物語を読めば、「分かる! オレもそうだもんなぁ…」と物語の内容に共感してくれる可能性が高いということです。
以上が、「ターゲットの多くが経験・認識しているようなものごとに沿った内容」が共感を得やすい理由になります。
さて、ここまで「読者を惹きつけるストーリーテリングの2つのポイント」を解説してきました。
この2つのポイント「読者がイメージしやすい内容にする」と「読者が共感しやすい内容にする」は、いわばストーリーテリングのベースとなる「必須条件」です。
ここからは、ストーリーテリングの手法をコピーライティングに活用していく際の「コツ」についてお話ししていきます。
では、次の解説をじっくりと読んで「コツ」をつかみましょう!
スティーブ・ジョブズに学ぶストーリーテリングのコツ
まずは“伝説のスピーチ”と言われる、アップルの創始者スティーブ・ジョブズのお話を聞いてみてください。
動画の長さは15分ほどですが、実際に聞くと心を揺さぶられ、その長さを忘れるくらい(←これもストーリーテリングの効果の1つ)の聞き応えのあるスピーチです。
話の内容もストーリーテリングを意識して構成されていて、コピーライティングに活かす際に得られるコツがたくさんあります。
ここでは、その中でも特に重要なコツに絞って解説しましょう。
そのコツとはズバリ、「ギャップ」です。
ギャップとは「ずれ」のこと。
さまざまな「ずれ」を物語の中に盛り込めば、「ん? この話、なんか気になるな」という感じに、人の心を惹きつけるストーリーに仕立てることができるんですね。
スティーブ・ジョブズのスピーチで、そのギャップを見てみます。
スピーチの内容は、要約すると以下の通り。
① 不運な生い立ち
② 大学を中退
③ 毎日の食事に困る生活
④ アップルの設立と成功
⑤ アップルからの追放・挫折
⑥ 新会社の設立
⑦ アップルへの返り咲き・さらなる大成功
⑧ ガンによる余命宣告
まさに壮絶な人生ですが、このストーリーテリングで「ギャップ」が効果的な役割を果たしています。
アップルの華々しい成功と、つらい挫折のギャップが人の心を惹きつけるわけです。
「ジョブズの場合は、たまたま壮絶な人生だったからギャップを活かしたストーリーテリングができているんじゃないですか?」
そう思うかもしれませんが、大丈夫。
どんな話でも見せ方を工夫すれば、ギャップを効果的に使うことができるようになるんです。
ギャップを効果的に使うコツは以下の通り。
❶ 単語レベルのギャップ
❷ 時間のギャップ
❸ 理想と現実のギャップ
順番に解説しますね。
❶ 単語レベルのギャップ
単語レベルのギャップは、例えば下記のようなものです。
●「生」と「死」
●「光」と「影」
●「理想」と「現実」
●「成功」と「失敗」
●「戦争」と「平和」
このように、単語レベルで反対の意味を持つ言葉を入れることで、人の心を惹きつけることができます。
スティーブ・ジョブズのスピーチでは、全体を通して「成功」と「挫折」、「幸」と「不幸」などのギャップがあることで物語をドラマチックに演出していますね。
僕たちの身の回りを見てみましょう。
例えば医療ドラマが人気なのは、「生」と「死」をテーマにしている場合が多いから。
恋愛ものはたいてい、「愛」と「憎しみ」の物語ですよね。
このようにストーリーテリングのコツは、意識的にギャップのある単語を盛り込むこと。
具体的には、下記のようにします。
● 私の心の中にある光と影
● 私は生まれて3ヵ月で余命宣告を受けました
● 借金が500万円あった私がアフィリエイトで1,000万円の収益
このような言葉を聞くと、「えっ?」と気持ちが惹き込まれますよね。
これが単語レベルのギャップです。
簡単に使えるコツなので、意識的に文章に組み込んでいきましょう。
❷ 時間のギャップ
時間のギャップは、下記のように時間を対比させて「ずれ」を作ります。
●「過去」
●「現在」
●「未来」
このように、時間軸を対比させて物語を展開させることも、人を惹きつけるコツです。
時間軸にギャップを作るということですね。
スティーブ・ジョブズのスピーチでは次の通り。
幼少期 → 学生時代 → アップル創業期 → 現在 → 未来を担う卒業生に贈る言葉
このように話題の時間軸を移動させることによってギャップを作り出し、物語をドラマチックに演出しています。
これは「過去」「現在」「未来」のことを盛り込めば、自然と時間軸のギャップは生じてくるので簡単。
例えばあなたのプロフィール記事に時間軸のギャップを効かしたい場合は、あなたの学生時代の夢、現在の仕事、将来への思いなどを盛り込めば、自然とストーリーに時間軸のギャップが生まれます。
あなたの半生に時間軸のギャップで彩りを与え、読者の心をグイッと惹きつけてください。
❸ 理想と現実のギャップ
最後のギャップは、効果絶大な理想と現実のギャップです。
例えば以下のような流れの物語を1度は見聞きしたことがあるはず。
「今はこんなみすぼらしい生活をしているけど、将来は絶対に成功して大富豪になってみせる!」
また、YouTubeの広告では、下記のような構成をよく見かけますよね?
● 万年童貞で女子から嫌われていたオレが、会社で1番人気の女性社員を落とすことができたなんて!
●配属先の営業部でトップになると誓ったはずが、1年経って気がつけば成績はビリ…
このような理想と現実のギャップに焦点を当てた話の流れは、いつの時代も人の心を惹きつけます。
以上、ストーリーテリングで人の心を惹きつけるコツ、「ギャップ」について解説しました。
ちなみに、僕のプロフィールもいろいろなギャップを盛り込んで物語を構成しています。
僕のプロフィールは客観的に見れば、どこにでもある平凡な人生をまとめたものですが、ギャップを盛り込むことで、それなりにドラマチックなものに見えていると思います。
ストーリーテリングの参考にご覧ください。
↓↓↓
まとめ
今回はストーリーテリングについて解説しました。
伝えたい思いやコンセプトを、それに関する印象的な物語や体験談に重ねて語ることで、聞き手に強く印象づける手法
● 聞き手の興味を惹きつけることができる
● 聞き手に明確なイメージを与えることができる
● 信ぴょう性を高めて、聞き手の信用を得ることができる
● 聞き手に強い印象を与えて記憶に残すことができる
ストーリーテリングについては、様々なところで細かいノウハウが語られていますが、専門的になり過ぎてついていけない部分もあります。
そんな時は、この記事でお伝えした以下のポイントに焦点を絞ってストーリーを構成してください。
● 読者(聞き手)がイメージしやすい内容にする
● 読者(聞き手)が共感しやすい内容にする
● 物語の中にギャップを作る
● 単語レベルのギャップ
● 時間のギャップ
● 理想と現実のギャップ