こんにちは、真路(シンジ)です。
デスクワークの人は、仕事に集中するあまり何時間も座りっぱなしということがあると思います。
そのために、慢性的な腰痛やおしりの痛みなどで悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
ただ、座りすぎによる悪影響はそれだけではありません。
実はここ数年の研究で、「座りすぎると寿命が縮む」ということが明らかになってきたのです。
「座っている時間が長い人の死亡リスクは、最大で40%増!」というショッキングな研究結果もあります。
他にも、座りすぎるとどうなるのか?というと…
● 肥満につながる
● 善玉コレステロールの数値が低下
● 糖尿病リスクが上昇
● 脳機能の低下
● うつ傾向の増加
このような悪影響を受けてしまうことが判明しています。
「ええ!? 私は毎日かなりの時間を座りっぱなしで働いてますよ。これはヤバいですね…」
はい、座りすぎはかなりヤバいんです。
そこで今回は、
・座りすぎるとどうなるのか?
・なぜ座りすぎがよくないのか?
・座りすぎの対策法
などについて詳しく解説します。
この記事を読めば、「座りすぎがあなたの心身にどのような悪影響を及ぼすのか」を理解できるので、座りすぎを改善して健康寿命を伸ばすことができるようになりますよ。
なので、この記事は立ちながら読んでくださいね(笑)。
では、さっそく始めましょう!
日本人は世界一「座っている時間」が長い国民
世界で比較すると、1日のうちに座って過ごす時間が最も長いのは、なんと日本人!
というのも、オーストラリアのシドニー大学が行なった調査によって、世界20カ国の平均が1日約5時間なのに対し、日本人は約7時間とダントツで座っている時間が長いことが判明しているんです。
下記のグラフは、その調査結果を表わしたものになります。
このグラフを見ると、日本人は1日のうち約420分(約7時間)もの時間を座っていることがわかりますね。
(出典: bauman et al. Am J Prev Med,2011)
さらに日本の厚生労働省が発表したデータから、日本人の身体活動が以前よりも減少してきていることが明らかになっています。
下記のグラフは、日本人における身体活動(歩数)の推移を表わしたものです。
(出典:厚生労働省 国民健康・栄養調査)
このグラフを見ると、90年代後半を境に日本人の歩数が減少傾向にあることが分かります。
つまり、以前よりも座っている時間が増加しているということですね。
その理由の1つは、あらゆるもののIT化が進んだから。
例えば昔は、テレビのチャンネルを変える時や部屋の電気を消す時など、その都度立ち上がっていました。
しかし今は、座ったまま指先1つで何でもできる時代。
さらにロボット掃除機や、Alexa(アレクサ)のような話しかけるだけで家中の家電を操作してくれるスマートスピーカーまで登場し、家の中で動く機会がどんどん減ってきています。
仕事においても、座り心地のいいイスの開発や長時間勤務のデスクワーカーの増加など「身体活動の減少=座りっぱなし」の増加を加速する要因ばかり。
日本で働く人の60~70%がデスクワーカーで、平均すると仕事中の70%もの時間を座って過ごしているという調査結果もあります。
このように、日本人の労働・家事・通勤といった日常生活での身体活動が年々減少し、それに伴って歩数も減少傾向にあるんですね。
日本における「座りすぎ」研究の第一人者である、早稲田大学スポーツ科学学術院教授・岡浩一郎氏によると、日本人の1日の平均的な総座位時間(覚醒状態で座ったり寝そべっている時間)は8~9時間であり、罹患リスクや死亡リスクが高まる「かなり危険な数字」とのことです。
確かに、僕たち日本人は座りすぎているようですね。
ではここから、座りっぱなしは人の身体にどんな悪影響を及ぼすのか?を具体的に解説していきます。
座りっぱなしは人の身体にどんな悪影響を及ぼすのか?
人が座りっぱなしでいると、身体にどんな悪影響が出てくるのでしょうか?
『座りっぱなしが寿命を縮める理由(Sitting Down is Killing You)』という、有名なインフォグラフィックがあるのでご覧ください。
▲Sitting Down is Killing You 翻訳版
このインフォグラフィックは、次のようなことを述べています。
● 1日6時間以上座っている人は、3時間未満の人に比べ、15年以内の死亡率が40%高い
● 1日3時間以上座ってテレビを見ている人は、心臓病で死ぬ確率が64%高い
● 肥満につながる
● 足の筋肉の電気信号が止まる
● 消費カロリーが1分ごとに下がる
● 脂肪を溶かす酵素の分泌が90%下がる
● 座ってから2時間で善玉コレステロールの数値が20%低下
● 座ってから24時間でインスリン抵抗性が20%上がり、糖尿病リスクが高まる
どうでしょうか?
「今すぐ座ることをやめて、立ち上がりたくなる内容ですね…」
このインフォグラフィックの最後には参考論文のアドレスが掲載されているので、信憑性も高い情報だと思われます。
とはいえ、これだけでは情報に偏りが出るので、他の研究もいくつか紹介しましょう。
座りすぎで死亡リスクが上昇する
オーストラリアの研究機関が22万2,497人を3年近く追跡調査した研究結果によると、1日に座る時間が4時間未満の人に比べ、それ以上座っている人は死亡リスクが上昇したことが分かりました。
その研究結果は次の通り。
1日に座る時間と死亡リスク● 1日8~11時間座っている人→総死亡リスク15%アップ
● 1日11時間以上座っている人→総死亡リスク40%アップ
(出典:Arch Intern Med. 2012;172(6):494-500.)
1日に11時間以上座っている人は、なんと総死亡リスクが40%も高くなっています!
「私は、仕事中と帰宅後を合わせたら11時間くらい座っているかも…」
あなたに限らずデスクワークの人は、毎日そのくらいの時間を座っているかもしれません。
この死亡リスクは、「1時間座りっぱなしでいると、寿命が22分縮まる」と言い換えることもできます。
これはかなり衝撃的な数字ですよね…(苦笑)。
他にも、2018年に『American Journal of Epidemiology』で発表された論文によると、座り過ぎでガン・心疾患・脳卒中・糖尿病・腎疾患・肺疾患・肝疾患・消化器疾患など、14の死因による死亡リスクの上昇が見られたとのこと。
これらの研究結果から、座り過ぎで死亡リスクが上昇することがよく分かります。
座り過ぎで脳機能が低下する
カリフォルニア大学が米科学誌プロスワンに発表した論文によると、座る時間が長いほど記憶に関する脳の領域が薄くなってしまうことが判明しました。
そして、脳のその領域が薄くなると、認知能力の低下や、アルツハイマーなどの認知症につながる可能性があるとのこと。
しかもこの悪影響は、運動をしても帳消しにできないことが分かっています。
あなたが将来、認知症になりたくなければ、なるべく座りっぱなしの時間を減らすことが大切です。
座り過ぎで不安やうつ傾向が上昇する
座り過ぎは身体に悪いだけではなく、精神面にも悪影響を及ぼします。
2013年にMental Health and Physical Activity誌で発表されたタスマニア大学の研究によると、1日に6時間以上座っている人は、1日に3時間以下しか座っていない人に比べ、うつ傾向や不安感が悪化することが判明しました。
興味深いことに、女性の方が男性よりも精神面への影響がより顕著に現れたそうです。
他にも、明治安田厚生事業団体力医学研究所が行なった調査によると、1日に12時間以上座っている人は、6時間未満の人に比べ、精神面での不調が約3倍も多いことが分かっています。
確かに、朝から晩まで1日中座りっぱなしで働き続けたら、仕事が終わってもイキイキとした気分にはならないですよね。
そんな生活を毎日繰り返していたら、疲労感がたまって生産性が落ちますし、精神面に不調をきたすのも無理はありません。
僕自身もグラフィックデザイナーだった頃は、1日中どころか徹夜でパソコンの前に座りっぱなしでした。
その結果、心身ともに疲れ切り、心と身体のバランスを崩して会社を休職するところまで追い込まれたので、座りっぱなしが精神面にダメージを与えることは身をもって理解しています。
まあ僕の場合、座り過ぎが原因なのはもちろんですが、連日徹夜で作業しなければ追いつかないブラックな業界そのものに問題があると思うんですけど…(その辺りのことは僕のプロフィールをご覧ください)。
とにかく、座り過ぎが身体だけでなく精神面にもダメージを与えるのは本当に怖いことです。
さてここまで、座りっぱなしが人の心身にどんな悪影響を及ぼすのか?ということについて解説してきました。
ではなぜ座ることで、人はこんなにも大きなダメージを受けるのでしょうか?
その理由について解説していきます。
なぜ座ることで、人はこんなにダメージを受けるのか?
なぜ座ることで、人はこんなにも大きなダメージを受けるのでしょうか?
その理由は、下記の2つです。
❶ 血流の悪化
❷ エネルギー代謝の悪化
順番に解説しますね。
座ることでダメージを受ける理由❶ 血流の悪化
人が座りっぱなしでダメージを受けるのは、座ることで血流が悪化するからです。
血流が悪化すると、身体に必要な酸素や栄養素などが全身に行き渡らなくなってしまいます。
そうなると、全身の血液はいわゆる「ドロドロ血」と言われる状態になり、ガンを含むあらゆる病気を引き起こす原因となる「血栓」ができやすくなるのです。
ではなぜ座ることで血流が悪化するのでしょうか?
その理由は、座りっぱなしでいると「第二の心臓」と言われるふくらはぎの活動がストップしてしまうから。
ふくらはぎは、下半身に下りた血液を心臓に押し戻すポンプの働きをしますが、座っているあいだはその働きが止まってしまいます。
ポンプが止まってしまったら、下半身にある血液が上半身に流れていくことはありません。
なので座りっぱなしでいると血流が悪化するのです。
座ることでダメージを受ける理由❷ エネルギー代謝の悪化
人が座りっぱなしでダメージを受けるもう一つの理由は、座ることでエネルギー代謝が悪化するから。
エネルギー代謝が悪くなると、糖の代謝に関わる機能や脂肪を分解する酵素の活性が低下し、肥満や糖尿病になりやすくなってしまうのです。
ではなぜ座ることでエネルギー代謝が悪化するのでしょうか?
その理由は、座りっぱなしでいると太ももが動かないから。
実は、太ももには人体で最も大きい「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」という筋肉があり、この筋肉を動かすことはエネルギー代謝の良し悪しをかなり左右するんです。
なので、座りっぱなしによって「大腿四頭筋」を含む太ももの筋肉が活動を停止すると、エネルギー代謝がかなり悪化してしまうんですね。
さてここまで、人が座ることでダメージを受ける理由を解説してきました。
どうだったでしょうか?
「座りっぱなしで下半身が動かないことが悪影響の原因なんですね」
そうなんです!
それが次の「座りっぱなしで寿命が縮まないための対策法」のヒントでもあります。
引き続きご覧ください。
座りっぱなしで寿命が縮まないための対策法
ここまでの解説を読んだあなたは、座りっぱなしが心身に悪影響を及ぼすことを嫌というほど理解しているはず。
なので、どうすればいいのかもう分かりますよね?
「座りすぎないようにするのがイチバンじゃないですか」
正解です!(笑)
まずは、長時間座りっぱなしでいることは心身に良くないと強く意識することが大切。
その上で「座りっぱなしで寿命が縮まないための対策法」を行なうようにしましょう。
ではその対策法を紹介します。
❶ 30分に1度立ち上がり、2~3分ほど体を動かす
❷ 座ったまま足を動かす運動をする
では簡単に解説していきますね。
対策法❶ 30分に1度立ち上がり、2~3分ほど体を動かす
長時間の座りっぱなし対策でイチバン良いのは、「定期的に立つこと・動くこと」です。
具体的には、30分に1度立ち上がり、2~3分ほど体を動かすこと。
その効果は、プリンスエドワード大学などによる2018年の論文で明らかにされています。
この論文によると、30分に1度立ち上がり、2分ほど体を動かすことで座り過ぎの悪影響を軽減できるとのこと。
そうすることで全身に血液を巡らせることができるため、体内の代謝が改善されます。
その結果、次の効果が見られました。
● 食後9時間まで血液中のインスリンの働きが改善し、血糖値が低下する
● 食後12~16時間まで、血液中の中性脂肪が低下する
体を動かすといっても、その場で立ち上がって足踏みをしたり、トイレに行ったり、廊下を散歩する程度の動きで大丈夫なので、おそらく大抵の職場で可能と思います。
しかし中には、職場の空気が重くて頻繁に席を立ちづらいとか、ブラックな会社なので長時間座りっぱなしで働かされるなんてこともあるでしょう(笑)。
あなたがそんな職場で働いている場合は、次の対策法を試してみてください。
対策法❷ 座ったまま足を動かす運動をする
どうしても長時間座らざるを得ないときは、座ったまま足を動かす運動をするだけでも効果があります。
● 足首を回す
● かかとを上下させる
● ひざを上げる
● 片足を上げる
このように足を動かせば、下半身の血行が促され血流悪化を防ぐことができますよ。
一番良いのは座る時間を減らすこと!
座りっぱなしで寿命が縮まないための対策法を解説しましたが、イチバンの対策は「なるべく座る時間を減らす」ことです。
座りっぱなしの時間が多いほど、心身に悪影響を及ぼすことは確実。
なのでそのことを常に意識し、少しずつでも座る時間を減らすように心がけましょう。
例えば、
● 職場でスタンディングデスクを導入するよう上司に掛け合う
● 他部署への連絡をメールではなく直接会いに行って伝える
● お使いや物を取りにいく雑務などを引き受ける
などちょっとした工夫で、座っていた時間を立って動くことに置き換えられます。
なので、積極的に立ち上がる機会をつくっていきたいですね。
ちなみに僕の仕事はデスクワーク中心ですが、1日のうちに仕事で座っている時間は3時間未満です。
その理由は「僕の代わりに24時間365日働き続け、自動で収益をあげてくれる仕組み」を構築しているから。
お金を稼ぐことはその「仕組み」がせっせと頑張ってくれているので、僕は情報収集や「仕組み」のメンテナンス、記事作成などに1日3時間だけを「座って」費やしています。
とは言え、その「仕組み」が完成するまでは仕組みづくりのためにしっかりと学び、学んだことをアウトプットする時間を毎日3時間以上「座って」過ごしたんですが(笑)。
ただ、この「仕組み」づくりは正しい方法を正しい手順で学び、実践し続ければ誰でもできることです。
もしあなたが「座り続けることで身体を壊したくない!」「身体を動かす仕事に転職するのは現実的じゃないけど、この先座りっぱなしの仕事も怖いなあ…」と思ったのなら、ぜひ下記の記事を読んでみてください。
「自動で収益をあげてくれる仕組みづくり」を詳しく分かりやすく紹介しているので、きっとあなたにとって新しい世界が開けると思いますよ。
まとめ
今回は、「デスクワークの人必見!座りっぱなしで寿命が縮むってホント!? 」について解説しました。
● 死亡率の上昇
● 肥満につながる
● 善玉コレステロールの数値が低下
● 糖尿病リスクが上昇
● 脳機能の低下
● うつ傾向の増加
そして、なぜ座ることで人はこんなにも大きなダメージを受けるのかというと、下記の理由からでした。
● 血流の悪化
● エネルギー代謝の低下
座りっぱなしで寿命が縮まないための対策法としては、とにかく座っている時間を減らすことがイチバンなんですが、仕事がデスクワークなのでそうも言ってられない!という人のための対策法がコチラでしたね。
● 30分に1度の頻度で2~3分ほど体を動かす
● 座ったまま足を動かす運動をする
とにかく、座り過ぎは「百害あって一利無し」!
そのことを常に意識し、こまめに立って動くことが大切です。
今回も、最後まで読んでいただきありがとうございました。
ではまた、次の記事でお会いしましょう!